【 知っておきたい薬の知識 】
まず、しっかり知っておきたいのは、風邪薬(咳止め、鼻水の薬、解熱剤、鎮痛剤、去痰剤など)は症状を和らげる薬であって風邪を基本から治すものではない、ということです。現在、小児科領域でウイルスをやっつける薬はまだまだ少ないのです。
それは、皆さんご存知のインフルエンザウイルスをやっつける薬(タミフルなど)。そして水疱瘡のウイルスをやっつける薬(ゾビラックスなど)。この2種類はウイルスをやっつけることで病気の期間を短縮できます。
つまり、風邪ウイルスをやっつける薬はまだまだ研究中なのです。
このような理由で風邪薬と言われるものを飲んだとしても症状は和らぎますが、大切な 「ウイルスとの闘い」 はしっかりと続き、最低72時間は発熱も続くのです。
風邪薬を飲んでいても風邪を引くのは当然のことなのです。
次に、勘違いされやすいのは 「抗生剤」 です。これは細菌(いわゆるバイキン)をやっつける薬であって、ウイルスには全く効果がありません。
もらっている側にとっては 「抗生剤をきちんと飲ませているのに、熱は下がらないし、風邪がちっとも良くならない!!」 ということになります。
お年寄りや、免疫の弱い子どもの場合、ウイルス感染で傷ついた咽頭や鼻、気管などの粘膜から細菌(いわゆるバイキン)が侵入しさらに炎症を起こすことがあります。この場合肺炎や中耳炎という別の形で症状が出てきますので「抗生剤」が必要となるわけです。