治療薬があります
どんな病気?
水痘-帯状疱疹ウイルス(別名ヒトヘルペスウイルス3型(HHV-3))によって引き起こされる病気です。
人から人への感染力が非常に強い病気で、毎年春先に一番流行する病気です。
春といえば、入園や入学、入社など新しい集団生活がスタートする時期です。
水痘にかかったことのない人やワクチンを接種したことのない人は、集団生活に入ると感染する可能性があるので特に注意が必要です。
このウイルス、実は、高齢の方がかかる帯状疱疹と同じウイルスなのです。
水痘になったあと、このウイルスが神経節というところに隠れていて、体力や免疫力が弱った時に、ここぞと神経節から出てきて、悪さをするのです。
ですから、
帯状疱疹の大人に子ども達が接触すると、水痘になることもあるのです。
このウイルスは一生人間と一緒にいるウイルスです。
特徴を一緒に覗いてみましょう!!
≪どうなるの?≫
一般に、発熱とほぼ同時に、赤くなった皮膚の上の液体を含んだ小さな水疱が出来て、だんだん数が増えていきます。液体の中にはウイルスが沢山含まれています。
やがて水疱はつぶれ、乾燥してかさぶたになります。
股から腹部にできた水疱で気づくことが多いです。水疱は全身に広がっていきます。
ワクチンや治療薬の無い時代には、全身密に水泡が出来、もちろん頭にも密集して、やむなく髪の毛を短くして不潔にならないようにし、治療したこともありました。
熱は、あまり出ないこともあります。水疱の跡がしばらくの間(長い人は半年から1年ぐらい)残ることは時々ありますが、一生残るということはまずありません。潜伏期間は2週間ぐらいです。
のどに出来た場合、水疱が破れると痛みが出て飲食がしにくい場合があります。この場合、酸味のあるものや(柑橘類など)塩辛いものは避けたほうがいいですね。
通常の経過
*大人がかかったら
成人の場合、重症になりやすく、肺炎や脳炎になる確率が高くなります。
慢性肺疾患の方や喫煙していると肺炎になり易いので禁煙が必要です。
≪どうすればいいの?≫
飲み薬の『抗ウイルス薬』(商品名:ゾビラックス、バルトレックス)があり、できるだけ早い時期に服用すると、ウイルスの増殖を押さえ、かなり軽症で済みます。
水疱が全部かさぶたになれば(約1週間)幼稚園や学校に行くことが出来ます。
予防接種は?
2014年から水痘ワクチンが定期接種(無料)になりました。(2回接種)
※解熱剤に注意!!
水痘の場合、インフルエンザの時と同じで、サリチル酸系の解熱剤(バファリン、PL顆粒など)は、急性脳症(ライ症候群といいます)になりやすいとのことで、原則的に使ってはいけないことになっています。
※修飾水痘
ワクチンは効果的ですが、修飾水痘といって、軽い水痘になることがあります。免疫の弱い子どもたちの為に開発された、大切なワクチンです。ワクチンを接種しておくと、帯状疱疹にもなりにくいと言われています。
*水痘感染後のウイルスは?
水痘感染後のウイルスは、神経節という神経の一部に潜んでいます。
そして、高齢になったり、何らかの理由で免疫力が低下した時に、ウイルスが活動して『帯状疱疹』を引き起こすのです。
*小さな子どもの帯状疱疹
帯状疱疹になる小児は非常に珍しいですが、胎児や乳児のときに水痘のウイルスに感染したことがある小児などは、帯状疱疹になることがあります。
子どもの帯状疱疹はあまり知られていません。
さらに、子どもの帯状疱疹は通常痛みが無いのが特徴です。
その為、「虫さされ」や「かぶれ」と診断されているケースが多いのが現状です。
いかがでしたか?
赤ちゃんからお年寄りまで
ずっと関わっているウイルスです。
お母さんの知識と力で
ご家族を守ってあげて下さいね!!