妊婦さんにとって重要な感染症
通常春先にふえる感染症です。
症状は軽いので子どもさんがかかってもあまり心配はいりません。
皆さんが御存知の通り、妊婦さんにとって重要な感染症です。
どんな病気
風疹ウイルスによる急性の感染症で感染して2週間くらいの潜伏期間を経て発症します。
通常小児の症状は軽いことが多いのですが、まれに血小板減少性紫斑病(しはんびょう)や脳炎を合併することがあります。
妊娠初期の女性がかかると、先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があります。
どんな症状?
主な症状は発熱、発疹、リンパ節の腫れですが、すべてそろわない場合もあります。成人や大きな子供さんでは、関節の痛みを伴うことがあります。
風疹ウイルスに感染後、14~21日の潜伏期ののち、発熱(あまり高くなく微熱の時もあります)とともに全身に淡い発疹が現れます。
通常3日程度で発疹は消えます。このことから「三日ばしか」とも呼ばれています。
耳の後や、首の後部からうなじにかけてのリンパ節が腫れることも特徴の一つです。
合併症は?
通常は数日で治るのですが、まれに
・血小板減少性紫斑(しはん)病
・急性脳炎
といった合併症を併発することがあります。
参考:血小板減少性紫斑病:怪我などをした時に、出血を止める役割を持つ血小板(血液の成分)が減少してしまう病気で、その結果、皮膚や粘膜などに出血症状、紫斑(しはん)、アザがみられます。
不顕性感染といって、感染しても症状を現さない人が1割から2割います。
妊娠初期の胎児への影響
胎児の臓器の細胞を傷つけたり、『細胞分裂』を停止させたりして障碍が起こります。その結果の一つとして先天性風疹症候群が見られることもあります。
先天性風疹症候群
主として
1)先天性白内障など眼の障碍
2) 難聴
3)先天性心疾患 が特徴です。
予防と対策
予防として日本では、2006年からMRワクチン(麻疹と風疹の混合ワクチン)が定期接種になっています。
1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種を行います。
女性は妊娠する前にワクチンをうつこと(2回)が大切です。出来れば、血液検査で風疹の抗体がきちんとついているかを確認しておくと安心です。
病気に気づいたらどうする
症状は軽いのですが、発疹が消えるまで登校・登園停止となっています。 これもまわりにいる妊娠している女性を風疹感染から守るためなのですね。