川崎病(小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)

発見者の川崎富作先生のお名前より「川崎病」と命名されました

原因はまだはっきりわかっていませんが、高熱が出て、全身の血管炎を起こすといわれています。4才以下特に1才前後の子どもに多いのです。
最初は高熱がでて何の熱かな?と思っていると段々次の様な症状がそろってきます。
それは発熱、発疹、頸部リンパ節腫脹、結膜充血、口唇の発赤・亀裂、硬性浮腫(硬く指で圧してもあとがつかないむくみ)、いちご舌、BCG接種してある所が赤くなる、指先から膜の様に皮がむける(膜様落屑といいます。)などです。

≪どうなるの?≫

● 発熱・・・ 38℃以上の発熱が5日以上続きます。(抗生物質は効果がなく、通常の解熱剤では熱がほとんど下がりません。)

● 手足の先の変化・・・ 最初は指趾先が赤くなり、手背、足背が腫れます。指で押してもあとが残らないので、硬性浮腫と言います。1~2週間経った頃には爪と指先の境目から皮膚の皮がめくれてきます。手の平、足の裏では膜の様に”ペロン”とむけます。

● 皮膚の発疹・・・ 細かな発疹や蕁麻疹の様な発疹やいろんな形の発疹が出てきます。水ぶくれ(水疱)は出ません。また、BCGをうった所が赤くなるのが非常に変わった現象です。

● 眼球結膜の充血・・・ 初期からみられ、数日間続きますが普通の結膜炎と違って目脂は出ません。

● 口唇、口腔・・・ 口唇が赤くなって、乾いてきてひび割れた状態になります。口の中も赤くなって、イチゴのような赤い舌(いちご舌と呼んでいます)になります。

● 頸部リンパ節腫脹・・・ 両側性の首のリンバ節が腫れて痛みがでることもあります。

● 心臓の変化・・・ 有名なのは5日目ぐらいから心臓の栄養と酸素補給を行っている血管(冠動脈と言います)にコブが出来ることがあります。(最も多いのは2週間後ぐらい)心臓の雑音が聞こえる事もあります。

● 消化器症状・・・ 腹痛、下痢が見られることもあります。

※まとめると

  • 原因不明の38度以上の高熱が5日以上続く
  • いろんな形や大きさの発疹
  • 手足の先の硬性浮腫と紅斑
  • くちびるが荒れて出血。イチゴ舌
  • 両側の結膜充血
  • 頚部のリンパ節腫脹

となり、これら6つの症状のうち、5つがあてはまると、(細かい基準は沢山ありますが)川崎病と診断され、入院、検査が必要になります。

まだまだ原因はまだわかっていませんが、効果のある治療法(ガンマ・グロブリン療法など)や合併症検査も確立しています。