『おばぁの会』子供たちの居場所 ⑥

生き返る「親子」たち

そうこうしているうちに、どんどん新しく親子が集まってきた。

親は親で集まり、わいわい話している。

子どもは子どもで集まり、コミュニケーションをとるようになった。

2012年夏には家に入りきれず、浜辺に50人近い親子が集まり、バーベキューパーティーになった。

集まっている間に、それぞれの役割、出来ること、

大人は大人の新たな人間関係

子どもは子どもの人間関係が自然と成り立ってきた。

おいしいものを食べることで、疲れた心と身体が癒された事もあっただろう。

それと同時進行で、似通ったなやみや苦しみを語りあうことで、目に見えない自信や絆が芽生えてきたように思えた。

その中での自分たちの主張、役割、価値観、子どもたちも『自分の得意なこと』が見えてきたことで、それぞれの、それぞれにとっての大切な『居場所』になってきたのであった。わずかな時間であっても、『見通しのある時間・空間が確保されていた。

とりわけ自閉系の人間にとって自分が何をするのか、何をして時間を過ごすのか、自分の役割は何なのか、など『見通しのある時間・空間』があることが大切なのである。

そこには、いじめも差別も、怒鳴り声も、無理解な命令も無かった。

代わりに、『見通しのある時間・空間』があった。